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ソースを出せ、話はそれからだ

BG~身辺警護人~がおもしろいという話

ドラマを見てて盛り上がってもその場だけであんまり感想とか書きたくならないんだけど、なんだか感じるところがあったので放置ブログのリハビリがてらに。

 

ご存じの通り、高視聴率男・木村拓哉の最新ドラマです。木村さんやファンにとっては好きな呼び名ではないかもしれないけれど、私にとって木村拓哉は今も昔も"キムタク"なのであえてキムタクと呼ばせていただきます。*1

私キムタクのドラマって実はあまり見てないんです。それこそドラマ全盛期の、視聴率30%, 40%取っていた時代から。HEROにしても毎週毎週(数字が)ニュースになっとるなあ、という認識で、ちゃんと見たのは再放送でしたから。再放送で見たら面白かったんで、放送当時視聴率ばかりが話題になっていたことを後々ながら残念に思いましたけど。

BGも最初は見るつもりはなかったのですが、放送後に評判が良さげだったのと、キャスト陣にも惹かれたため後追いで見ました。今は最新話が公式で無料でネット配信されているからこういうときに便利ですね。

 

あらすじやキャラクターに関しては公式をご参照のほど。

BG~身辺警護人~|テレビ朝

大雑把に書くと、かつてイケイケの敏腕ボディガードだったキムタクが何らかの挫折をして民間警備会社で警備員として働いていたところ、会社が新しく身辺警護課を立ち上げることになり、こちらもまた過去に何か抱えてそうな元警察の上川隆也係長、元自衛官でキムタクに反発する斎藤工、スタイルおばけの若手コンビ菜々緒間宮祥太朗らとチームを組んで身辺警護に当たる。そこに警視庁の敏腕SP江口洋介が居合わせて、拳銃も持たない民間会社のBGに何ができるんだ、と身も蓋もないことを言う。衰えもある、武器もない、そんな完璧でないBGキムタクが依頼人の希望に寄り添いながら守り抜くという話です。(役者名でこれまた怒られそうですがそのほうが話が入ってきやすいので許してください)

 

何がいいかというと、これが初回の評判で私が気になった部分でもあるんですけど、主人公のキムタクが若干くたびれているところ。斎藤工からはオッサン扱いだし、一人息子からは邪険にされるし(それでも充分なついてそうですが)、警察の敏腕SPに見下されながら、怪我した体を引きずって任務にあたるところでしょう。

こういう役柄って往年のハリウッドスターが中年~壮年期にさしかかった頃にやりそうな設定で、ありがちといえばありがちなんだけど、そこがまたいいなあと思うわけです。ハリウッドスター同様、若い頃にあらゆることをやって圧倒的な結果を出し続けた男だから*2活きる設定というか。そうなると日本でいえばキムタクしかいない。

そういうくたびれた設定ながら、アクションシーンではちゃんとキレがあるのもさすが。

 

毎回江口洋介となぜか任務が重なってたり、依頼人が勝手な行動を取ることで主人公に活躍の場が巡ってくるというご都合主義な展開はあるものの、話もよくできていて、脚本は安定の井上由美子氏。

話の規模はさすがに初回のが大きくて、舞台がスタジアムということで画も派手だし、下見に行って目測でターゲットからの位置や逃走ルートを計算している演出もワクワクさせてくれましたが、話としては2話の裁判官夫妻の話のほうが好きで、最初さんざん大塚寧々にイライラさせられたにも関わらず最後はジーンときてしまいました。

 

主人公の対比としてチーム内で考え方が違う斎藤工、民間会社と公的機関である警察の江口洋介という二軸があるのも深みが出ています。

チームの中で対立するキーマン役の斎藤工が1話、2話と出番が少なかったのは話の流れというより売れっ子ゆえのスケジュールの都合のような気もしますが、3話からは戻ってくることになったのでバチバチ火花を散らしてくれそう。

また江口洋介*3はてっきり昔のキムタクを知る良き先輩みたいな役どころかと思ってたら初対面から若干嫌な奴(そんな安直な役柄ではないでしょうが)だったのにもびっくりだったんですが、とはいえそこは江口洋介なのでこのままというわけはないでしょうからこれからどう関係、考え方が変化していくかも注目したいです。

 

また犯人役が1話は勝地涼、2話が石黒英雄ということで3話以降誰が出てくるのか楽しみです。このラインだと間宮祥太朗が出てもおかしくないんだけど残念ながら(?)レギュラー出演しているので、誰が来るかな。アクションができる若手~中堅俳優で予想も楽しそう。

そして今後出てくるであろう主人公の元妻が誰なのかも考えちゃうよね。存在感のあるアラフォー女優と仮定して、これまで木村ドラマでヒロインをやったことがある女優か、それとも初共演の女優か。脚本家つながりか、プロデューサーつながりか。などなど。

とか言って出てこないかもしれないけど。

 

とりあえず、 キムタクの枯れた魅力といくつかの軸を持ったストーリー、キャスティングも楽しみなBG~身辺警護人~が、リアルタイムで見る初めてのキムタクのドラマになりそうだという話でした。

*1:決して悪意はないので、世間に浸透した時代のアイコンとしての"キムタク"という存在として受け止めてください。

*2:キムタクのドラマはキャストやスタッフを揃えて予算がつくからずるい、高視聴率で当たり前だなんて言う人もいますが、その条件があれば必ず数字がついてくるとは限らないわけで、その中で何かと叩かれながらもずっと結果を出してきたからこそそういう条件でいまだに主演ができているわけですよね。だって他にそんな人いないもの。

*3:江口さんがトメかと思っていたらクレジットは二番手で、トメは上川さんでした。どっちが上ってわけじゃないですけど。へえ。